セントルイスで開催された、これといって特色のないPPV。
メインはセスロリンズvsブロックレスナーのWWE王座戦でした。
この試合におけるお客さんのお楽しみは一点、レスナー主宰の「スープレックス祭り=Suplex City」。
果たして猛獣は実に13発のスープレックス(うちフロント1発)を王者ロリンズへとブチ込み、圧倒的破壊力でベルトをほぼその手中へと収めます。
なぶり殺しの末のフィニッシュはもちろん猛爆F5。
しかしカウント2.5のタイミングで鳴り響く大音量のゴーン音。新チャンピオン誕生寸前の会場は突然暗闇に包まれてしまいました。
ゴーン音&停電のコンボはもちろんあの男登場の儀式。明るくなったリング上にいつの間にか仁王立ちしていたのは地獄の墓掘り人・アンダーテイカーです。
レスナーとの対峙は2014年レッスルマニア以来。「21-1」の屈辱がいまだ忘れられないということなのでしょう。
仇敵緊急乱入で唖然呆然のレスナーは何とも味のある顔芸を全開。されるがままテイカーのツームストン2発に轟沈してしまいました。
まさかまさかの超展開はこのまま一気に夏の本場所・サマースラムへと突き進む気配が濃厚です。
「別格」2人の因縁抗争はプレミア感抜群。
気になるのはどちらがベビーでどちらがヒールになるのかという点。これらは次回RAW以降、お客さんのノリを見ながら臨機応変で組み立ててゆくのかもしれません。
忘れちゃいけないのは瀕死の状態ながらテイカー乱入に救われた王者・セスロリンズ。
超大物2人の聖戦に割り込むのはさすがに野暮というもの。ここは第一線からちょっと引いて、ロマンレインズなど燻ってる連中の再スポットへ一役買って欲しいところです。
①シェイマスvsランディオートン
荒くれ者のくせにツイッターでカタカタと火花を散らしてるらしい両雄のマッチアップは、毒蛇オートンがRKO1発でシェイマスを撃沈。されど「カバン」を持ってるシェイマスは安泰、勝っちゃったオートンはこれから先どこへ向かうのでしょうか…。
②タッグ王座戦:プライムタイムプレイヤーズvsニューデイ(うち2人)
前回PPVのリマッチは王者組がひとまず防衛。敗れはしたもののの、アホバカキャラ完全定着のニューデイ3人が引き続きタッグ王座戦線を切り盛りしていきそうな雰囲気です。
③ロマンレインズvsワイアット
マインドゲームを繰り広げてきた両雄待望のマッチアップでしたが、あろうことか元ワイアットファミリーのルークハーパーが介入。結果ワイアットが勝利したものの、雑魚だらけのヘボファミリーを再構築する必然性はゼロだと思います。
④軍団対抗ディーバ三つ巴戦:ベラ妹vsリックフレアー長女vsサーシャ
ステファニーの強権発動でいきなり乱世を迎えたディーバ戦線。ここではペイジ率いるベビー軍選抜のフレアー長女(=シャーロット)がひとまず勝利を収めましたが、今後が実に楽しみなWWE初の3軍団抗争です。
⑤US王座戦:ジョンシナvsケビンオーエンス
もはやトップ(=ベテラン)vs新鋭の域を超えた実力伯仲の攻防。ジョンシナがSTFで貫禄のタップアウト防衛を果たしましたが、両者とも「US」ではなく本線の「WWE世界」へ首を突っ込んでほしいところです。
⑥IC王座戦=中止
王者ライバックが怪我しちゃったためにIC王座戦はキャンセル。そしてこの不測の事態に立ち上がったのは挑戦者ミズ。傲慢演説で客席のヒートを買った挙げ句ビッグショーにボコられるという、100点満点のフォロー芸を完遂しました。