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2014/11/12

わたしが見た日本 中国人プロレスラー奮闘記

録画した日〔2014/11/9:NHKBS1〕

日本で武者修行中の「世界初の中国人プロレスラー」王彬(ワンビン)を追いかけたドキュメント。
所属団体は「IGF」ですが総帥・アントニオ猪木の登場はありませんでした。
チャリティ興業で訪れた相馬市のチビっ子と触れ合うワンビン。とても朴訥そうなイイ奴タイプの二十歳です。
身長は公称190cm。かつて猪木は「中国には2m級の大物がゴロゴロいる、ンムフフフ…」とブチ上げていましたが、190cmならゲノム的にはミリ単位の誤差と言えるでしょう。
ワンビンのプロレスデビューは昨年の大晦日興業「INOKI BOM-BA-YE 2013」。なんとあのケンドーカシンから3カウントを奪っています。
ここでお気の毒なのは「格上の選手」というナレーションで片付けられた噛ませ犬・カシン。
これも宿敵・サイモン猪木の差し金なのでしょうか。
そのサイモン猪木をはじめ、リアルビースト・藤田和之やビースト・ボブサップ、ケロチャン・田中リングアナなどゲノムメンバーもいろいろと登場。
IGFを1度も見たことがない私にとっては嬉しい生存確認です。
ワンビンの夢は中国でのプロレス興行。
中国はもちろんパキスタンやらピョンヤン(北朝鮮)やらにまで進出しているIGFなら容易い話だと思われたのですが…。
はるばる中国上海まで乗り込んだワンビン達を待っていたのは開催NGというつれない返答でした。
昨今の日中関係悪化が集客やスポンサー集めに影響している模様。
ただケンカ別れではないので、猪木の肩書が衆議院議員のうちに再チャレンジしてほしいところです。
ちなみに興業開催を見越していたIGFは、ドロップキック=「爆撃蹴」 ブレーンバスター=「脳破壊投」 コブラツイスト=「地獄毒蛇巻」など技の中国語訳を会議で決定。
ワンビンの猛デモ(ケロちゃんのアオり付)が報われる日を待ちたいと思います。
そしてこの猛デモでバンプを取っていた金髪の青年は、いつの間にかIGF入りしていた破壊王Jr・橋本大地。
親父・橋本真也の「水面蹴り」は中国流浪中に編み出された殺人兵器。
ここで会ったのも何かの縁。日中の同世代ライバルとして鎬を削ってほしいものです。
何かとシャレが通じない日中関係。
“どうってことねぇよ”のイノキゲノムにおいても、ワンビンをWWEの「ルセフ」にするのは絶対NGです。
“世界初の中国人…”を売りにするとしたらヒールギミックは避けたいところ。
ワンビンはプロレスラーという観点では結構窮屈な境遇に身を置いているのかもしれません。
そう考えると、プロレスと総合のいいとこ取り、もしくは両取りができるIGFはワンビンにとって願ってもない環境でしょうか。
そして何より、高円寺の道場(アントニオ猪木道場)は、ボスの 元パンクラス・高橋義生氏をはじめとする良い仲間に恵まれた素晴らしい環境のようです。
客とスポンサーを呼べる男がNo1の世界。
スキルを上げるのが大前提ですが、日本で暮らす何万もの中国人を味方に付ければ大化けもあり得るワンビン。
とにかくあと3年ぐらいは辞めないで続けてほしい。
そのためにもIGF総帥には「もう、オレは関係ねぇですから」をしばらく封印していただきたいと思います。