録画した日〔2013/10/25:TOKYOMX〕
自称“地獄のプロモーター”のミスターXが「ユニバーサルマスク」とかいう刺客を日プロに招聘。
伊達タイガーとの覆面王座戦は、ノーレフェリー時間無制限ワイヤーデスマッチ(=金網デスマッチ)として行われる事になりました。
伊達タイガーのデスマッチ受諾になぜかブンむくれる御大・馬場さん。
「日本のプロレスは正統派を売り物にしている」「ルール無用のワイヤーデスマッチは邪道」と愛弟子に持論を展開します。
まあ要は、オレのアタマ越しにマッチメイクしやがってという恨み節。日プロトップとして当たりまえっちゃぁ当たり前のスジ論です。
一方のユニバーサルマスクはなぜかリングのない普通の体育館で公開トレーニングを敢行。
跳馬やら吊り輪やら平行棒やら、プロレスとは全く無関係の流麗な器械体操ムーブを披露しました。
この前代未聞の珍トレに集まったブン屋連中は口あんぐり。決して“驚愕の猛デモ”とは言えませんが、決戦を前に何やら不気味な凄玉ムードが漂います。
両雄が臨む金網リングは高さ6メートルという本格的なもの。
扉は付いておらずハシゴで登るという昭和チックな味わい深い造りです。
ちなみに降りる用のハシゴは無いので、2人とも高さ6メートルから果敢にドラゴンリングインをすることになります。
試合が始まるとユニバーサルマスクが必要以上にアクロバティックなムーブを披露。
ジャンプ一番で金網の天辺に到達するなど、変幻自在の4次元プロレスを展開し試合を支配します。
もちろんこれを受けた伊達タイガーは金網をグラグラ揺らすお約束ムーブで対抗。
実力者同士が繰り広げる白熱の攻防。WJ伝説の総合格闘技大会「X-1」ならあっさり金網が倒壊していたでしょう。
ちなみに試合前にブーブー言ってた馬場さんは、ちゃっかりセコンドを志願して金網越しに大興奮。
よくよく考えると、ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチを日本で初めてブチ上げたのは馬場さんの教え子である大仁田と後藤。
彼らの邪道エッセンスはこの日のワイヤーデスマッチにあったのかもしれません。
試合の結末は、2人そろって6メートルの金網から転落した後に伊達タイガーが何とか蘇生して王座防衛。
そしてここでも馬場さんは出色のハシャギっぷり。
今でいうところのツンデレなのか、ブーブー言ってたのはどこへやらケン高岡と共に喜び勇んでリングに雪崩れ込みます。
一敗地にまみれたユニバーサルマスクは覆面王座戦のお約束として素顔を晒される極刑に。
これを見た馬場さんは「コイツNYで見たことある!」「ドイツの体操レスラー・マークストラハインだ!!」とまたまた大興奮。
意外なところから、ミスターXの刺客が実は非・虎の穴の雇われレスラーであった事が判明しました。
仕切り直し出直しの一発目から成果ゼロ。自称・地獄のプロモーターは例によって冷や汗で顔がグッショリです。
伊達タイガーにブッタ斬られるのはいつもの事として、虎の穴にプロパー社員が不在という事実を露呈してしまったのは崖っぷちミスターXの大きな落ち度でしょう。
なお、順風満帆の伊達タイガーサイドに気になる事項が一点。
今回死守した覆面王座のベルトが、知らないうちに何やらぐちゃぐちゃになっていました。
「Inter national」としたかったであろう不可思議なスペルミスはブレの範囲としても、下部に刻印された「TAG TEAM」はさすがにマズいのでは?
チャンピオンを崇める男の星座・梶原一騎先生がこの素人やっつけ仕事に気付いていないことを祈るばかりです。