録画した日〔2013/2/8:WOWOWライブ〕
慈善ライブ「The Concert for New York City」(2001.10.20マジソンスクエアガーデン)の提唱者であるポールマッカートニーを追い掛けたドキュメント映画。
公開は「9.11」から10年経過した2011年でした。
公開は「9.11」から10年経過した2011年でした。
もちろんフライトはキャンセルとなってそのままNYへ居残り。そこから一ヶ月足らずで超豪華巨大スケールのライブ開催に漕ぎ着けたとの事です。
しかしそこに緊迫感や悲壮感はほとんどなく、思いのほかユルい等身大の天才ミュージシャンの姿が映し出されます。
そしてなぜか"お散歩"も大好きなようで、摩天楼界隈を自由にブラブラ歩いたりします。
サインや握手をねだられるのは当たり前。泣き出す女性やらライブ共演を懇願するアブナイ自称ミュージシャンやらを、ポールは良くも悪くも適当にあしらって行きます。
ただ、よくよく考えるとこの散歩時のNYは9.11直後の空前の厳戒態勢だったはずです。
そんな「戦時下」のNYをビビることなく飄々と闊歩するポール師匠から、ミスター長嶋さん的な天才系スーパースター特有の大らかさが伝わってきました。
素顔のポールは、ファンをないがしろにする文句なんかを吐いたりもします。
素顔のポールは、ファンをないがしろにする文句なんかを吐いたりもします。
しかし独善的でイヤな奴というイメージには全く至りません。
見てる側からすると「まあ、これぐらいの事は言ってんだろうな」というレベル。逆に「ポールはこれぐらいの事しか言わないのかも…」とも思わせる絶妙なベビーフェイス戦術です。
ミックジャガー&キースリチャーズ、ザ・フー(ドラムはリンゴスターの息子さんが担当)、エリッククラプトン等々、ポールの同級生世代を中心としたワールドフェイマスな超スーパースターが集結しました。
ただ私としては、ミック&キースとの三者会談がなかったのが少し残念。ビートルズとストーンズ、ギミック上のライバル関係は今だ継続中という事なのでしょうか。
このクリントンの他、ハリソンフォード、レオナルドデカプリオ等々の非ミュージシャン系超大物セレブもこのNYライブに賛同、参加していました。
ちなみに我らがミックとキースは「MissYou」と「Salt Of The Earth(地の塩)」を披露しましたが、この映画で採用されたのはミスユーの一部だけ。ポールも含めた他のミュージシャンも同じ扱いです。
あくまでドキュメント映画なのでこれは至極当然の構成。ポール的には、演奏見たけりゃDVDでも買っとけというスタンスとなります。
これもすべて、世界の偉人・ポールマッカートニーがその中心にいたからこそでしょう
そして私がこのドキュメント全編を通じて凄いと思ったのは、そんなポールから、やらされてる感、やってるぜ感のいずれも伝わってこなかったという事です。
まさしく「レット・イット・ビー」。音楽だけでなく、行動哲学においても天才肌のスーパースターなのでしょう。
淡々としたタッチなのに不世出の天才・ポールマッカートニーの魅力がやたらと増幅される、不思議なパワーを持った作品でした。