読み始めた日〔2012/4/16〕
主人公の鷲津政彦とそれを取り巻く敵味方たちの企業買収戦争です。
アホかと言われそうですが「1」をまだ読んでません。早速買おうと思います。
ストーリー上のヒールはハゲタカではなく、守旧派と呼ばれる日本の企業文化の魑魅魍魎たち。
私とはかけ離れた世界の話なのに、身につまされる場面と台詞が連続します。
勧善懲悪で大団円を迎えた事が救いでした。
しかし私にとってのカタルシスは、登場人物中ただ一人の「普通のサラリーマン」村岡の転落劇です。
彼は買収を仕掛けられた曙電機の社員。役付きで独自の情報網もしっかり持っているのに、直視を避け、「まあまあ騒ぎなさんな」と達観者を演じていました。
根拠のない安全意識と、誰かが何とかしてくれるという先延ばし感覚。
結局、最後の最後に何もしなかった事へのツケをまとめて払うことになります。
それ見たことか!的な痛快さ。私の中の同族嫌悪というか何というかが騒ぎました。
本当のヒールは、ハゲタカでも魑魅魍魎でもなく、村岡=私のような行動しない傍観者という事なのでしょうね。