Translate

2013/01/26

警視-K #4「LiLi」

録画した日〔2013/1/19:日本映画専門チャンネル〕
 
久々の休みに海へ遊びに行くガッツ父娘。
しかしそこに、高級マンションで男の絞殺体発見という緊急招集がかかってしまいました。
「明日にできねぇのか」とボヤきつつ現場に向かったガッツは、被害者の奥さんに不謹慎にも一目惚れ。
さっそく近所の洋品店で事情聴取用のオシャレスーツを買い込みます。
なお、この吊るしスーツのお値段は36,000円(定価は74,000円)。チョイ役の店員は大柴亨介=後のルー大柴でした。
ハードボイルド・ガッツを虜にした奥さん(未亡人)はジュディオング。和服の似合う清楚&貞淑系美人という役どころです。
今回#4が放送されたのは昭和55年10月。
昭和歌謡史の金字塔「魅せられて」のメガヒットからはちょうど1年後、現役金満ゴージャス歌姫による堂々のゲスト参戦といえるでしょう。
悲劇の未亡人ジュディオングですが、やっぱりというか何というか限りなく「クロ」一色の匂いが漂います。
これはガッツのみならず昭和の茶の間も早い段階で感じていた事。登場早々に「犯人はオング」とチャンネルを変えてしまった人も多かったはずです。
犯人はジュディオングだとしてその動機が掴めないガッツ。
チャンネルを変えなかったバカな熱心な視聴者の関心も、この「Why?」の部分にシフトしていきます。
そんな謎解きモードのストーリー。常識破りのアホバカドラマは、茶の間のナナメ上をブッチ切る無茶苦茶なオチを用意していました。
ジュディオング似の女性に必殺・投げ手錠を掛けたガッツ。なんと夫殺しの犯人はジュディオングの別人格「リリー」でした。
ガッツが魅せられた和服美人は、夜を徘徊する悪女に人格支配されている多重人格者。
悪のジュディオングは善のジュディオングに嫉妬し、こっそり旦那さんと同棲、満を持して結婚記念日に絞殺をしたんだそうです。
多重人格じゃあしかたない…。
とは言え、善と悪のジュディオングは、佐々木健介とパワーウォリアー程度の違いしか無い手抜きギミック。
しかも悪のジュディオングはストーリー中盤にアッサリと登場、早々にネタバレしているという正答率100%のトンデモミステリーでした。

そんなボッタクリ展開にトドメを刺すのは、もちろんガッツの愛娘・奥村真粧美です。
今回はジュディオングに入れ上げるパパにチョッカイを出す役回り。
デートに乱入したり鍋に体温計突っ込んで42℃の仮病を吹っかけたりと、ガッツを困らせる安定の木偶の坊パフォーマンスを披露しました。
ややガッカリだったのは、仮病の自分に献身してくれるガッツを見て涙を流すシーン。
天才・芦田愛菜ちゃんクラスと比べれば10000分の1程度の演技力ですが、超天然演技がウリのゴリ押し大根女優がちょっと成長してしまいました…。

ジュディオングのファンにとっては陰と陽、静と動ってな感じの一粒で二度おいしい設定。我々ガッツファンにとっても色んなオシャレモードガッツを見る事ができる楽しい回でした。
しかし、それ以外の人には馬の糞にもならないポンコツストーリー。
相変わらず聞き取りにくいセリフも含め、誰も止めることはできないガッツの大暴走はあと9回も続きます。