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2012/06/14

ライヴ・ヨーロピアン・ツアー / ビリー・プレストン

聴いた場所〔電車(通勤)〕

1974年にリリースされたライブアルバム。
収録は1973年の9~10月あたりとの事です。
前半9曲がUSバージョン、後半がUKバージョンという構成で、前後半でセットリストが微妙に違っています。
なんとこのライブ、ストーンズ1973年欧州ツアーの「前座」だったとの事。
ミックやキースがいる楽屋が怖かったのか、本チャンを前にしながらストーンズの貴公子・ミックテイラーが参戦しています。
10分近くハイテンションで突っ走る「#2,11 The Bus」「#9,16 Outta Space」や、ビートルズの超解釈カバー「#1,10 Day Tripper」「#3,12 Let It Be」「#18 Get Back」など、どう考えても”前座”レベルではない圧巻のクオリティです。

普通、前座がここまで爆発すると、メイン戦は客の熱気も冷めてグダグダになりそうなもんですが…。
当時のストーンズはまさしく絶頂期。
「LADIES & GENTLEMEN」「The Brussels Affair'73」等に記録されているとおり、前座でバテた客に往復ビンタをかまし、ジャイアントスイングでブン回し続けた末にキングコングニードロップを叩き込む、失神KOモノの超ド迫力絵巻を披露します。

つくづく、現場にいたお客さんが羨ましい。今は60、70代であろう面々、後遺症が残っている方もいるのではないでしょうか。
ビートルズ&ストーンズの猛者たちをメロメロにした、モジャモジャおじさん。全編から溢れる「ただ者じゃない感」は尋常じゃありません。
このライブ盤を聴くと、彼が愛された理由がよく分かるような気がします。